Core Harmony Blog
アイニカエル。アイカライキル。

苦手な人の価値観探し

伊勢では、やっと梅雨らしいなという毎日になってきました。室内の湿度計は、今日は77%を指しています。冬は、20%近くまで下がりますから、しっとりした空気です。

以前は、湿度が苦手で、雨季でも、夏でも比較的カラッとしているアメリカの気候の方がいい!とずっと思っていました。髪が天然パーマでもあるので、湿度があると膨れ上がって、まとまりにくいのもとてもいやでした。

でもある時読んだ、篠田桃紅さんというもう104歳を迎えられている水墨画の大家の方の記事に、ニューヨークで作品を制作していた時、その乾いた気候が水墨に向かないと悟り帰国されたという内容を読んで、その時初めて、日本のこの湿度ある気候にも恵みがあるんだと気づかせてもらってから、この湿度ある感覚が全く嫌ではなくなりました。

考えて見たら、日本食には発酵食品が多いように思いますが(私の場合は、アメリカと比べて..と前置きをして)、それらもこの湿度からの恵みですね。そのことに気づいてから、気候はどうであれ、自分がただ工夫しながら楽しめばいいんだ、と思えるようになりました。

こうやって違う視点を持てるようになると、今まで嫌だったものが、全く違うものに変わることを経験します。

先日は、先週も研修をさせて頂いた地元の病院で、2つ目のグループの方々のコーチングスキル研修をさせて頂きました。

私のコーチングスキル研修で必ずお伝えする内容に、「相手が大切にしている価値観を探る」という演習があります。

価値観とは、私たちが価値を置いている(大切に思っている)基本的な考え方のことです。

私たちの行動は、すべて自分が大切だと思う価値観がベースとなっています。

どんな時に、自分は嬉しいと感じるのか?

どんな時に、自分は悲しいと感じるのか?

どんな時に、自分は腹を立てるのか?

これらの感覚は、どんな価値観を大切にしているからこそ、それを嬉しいと思うのか、それを悲しいと感じるのか、そしてそれに腹を立てるのか、と探っていくと、その人が大切にしている考え方、「価値観」が見えてくるのです。

そしてその人が大切にしている価値観が見えてくると、その人の「人となり」がはっきりと見えてきます。

相手が言っていることに深く耳を傾け、「この人は何を大切にしているから、これを嬉しいと思うのかな」と相手の気持ちに寄り添って、「そうか、この人にとっては、これが大切だから、このことをこんなにも嬉しいと思うのかもしれない」と察して接すると、そのことに直接触れなくても、そして自分の察した「これかな?」が間違っていても、相手は「この人、自分のことすごくわかろうとしてくれている」と感じてくれて、相手の心がより開くことが起こります。

コーチングをするときもこれは大切ですが、普段のどんな会話の場面でもこれができると良い人間関係の構築ににつながっていくように思います。

この練習は、自分と同じような価値観の人に対してはやりやすいのですが、自分にとっては相容れない価値観を持っている人に対してはとてもやりにくいのですが、どんな人の話も聞けるようになるには、自分とは違う価値観を持っている
人を相手に練習するのが特にお勧めです。

私がよくするのは、自分が苦手な人を思い浮かべて、その人が大切にしている価値観を探るんです。

例えば、私は平気で嘘をついて、自分の利になることだけを考えている人、自分が人の上に立つことだけを考えている人とは、あまり一緒にいたくありません。

政治家の方には申し訳ないのですが、この訓練のために、この人はそうかな、と思う人が何人かいます。

その人たちの顔を思い出すのも嫌なのですが、でもこの人たちも、何かを大切にしているからこそ、そういう行動に出る訳なので、考えます。

「この人たちは、何を大切にしているからこそ、自分が人の上に立つためなら、平気で嘘をつけるんだろう?」

人によって若干の違いはあれ、一般的にそういう人は、人としての成功は人の上に立つことであり(名誉・名声)、自分の力を強くしていくことによって、多くの人を助けることができると信じている。嘘も、そのためなら致し方ないと真剣に思っていると、感じるに至ることがよくあります。

皆さんは、どう思いますか?

このような人たちは何を大切にしていると、皆さんは思いますか?

私たちは、何を信じても良いという自由を平等に与えられています。

なので、自分も信じていることがあるように、相手にも信じていることがある。そしてそれは、それぞれに自由であっていいわけです。

でも、尊重は、同意することでも、受け入れるということでもありません。

私はこれを信じている。

相手はこれを信じている。

ただ、それだけのことであり、それ以上も以下も、本当は思わなくて良いわけです。

この練習をしていると、苦手な人(=自分と違う価値観を持っている人)が目の前にいても、あまり影響を受けずに、穏やかな心を持って接することができるようになっていきます。

「ああ、この人は、これを大切にしたいんだな」と考えていると、自分の大切にしたいことも同時に明確になっていくので、「私は、これを大切にしたらいいんだ」と心が整理されていくのです。

私の場合ですが、それでもイライラする場合は、私自身の修行が足りないんだと思ってしまいます。相手も自分の信じているように思うべきだと思っている自分は、どこか自分の心が満たされていない状態であることが、私の場合多いと感じるからです。

これは、皆さんもそうすべきだと言っているのではありませんからね。

私の価値観の中に、「全ての人の存在は、その人の価値観も含め、平等に尊ばれるべきだ」という考えがあるので、苦手な人でも、自分がその人の価値観を尊重できないと、気になってしまうんですね。

こういうと、「何でもあり」でもいいのか、人殺しまでもその人の価値観として尊重するのかという議論になってしまいそうですが、自分の価値観には責任をもって、ある時には自分の意見を主張したりすることもあってもいいと私は思っています。

ある意味、自分が大切にしたいことを大切にするのは、持って生まれた権利のようなものでもあると思っています。

ここで大切なのは、「私はこれを大切している」、「相手はこれを大切にしている」と、一旦受け止めることが大切だということです。

そして、それを見極めた上で、自分はどう行動するのか、なんです。

きっとこれらの主張は、私の価値観からくる考えですね(笑)。

さてさて、これを機会に、皆さんも苦手だと思う人を思い浮かべて、その人が大切にしている価値観に思いを馳せてみてはどうでしょうか?

これをしていると、自分とは違う価値観であっても、ただただその人も、自分が大切にしたいと思うことを必死に大切にしようとしているんだなと思えるようになっていきます。

そして、そういう苦手な人から、自分とは全く違う価値観の世界を教えてもらうことで、自分では想像も出来なかった世界を見せてもらえていると、感謝の気持ちまで湧き上がってきます。

この世は、いろんな人がいて、いろんな価値観があって、こんなにも豊かなんですよね。

そう思えた時、とても心が自由になるのを感じます。

気になる方は、ぜひ試してみて下さいね。
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