「自分との対話」が深まる

「ジャーナリング(Journaling)」とは、日々の出来事、あるいは観察しているものを記録していくという意味があります。この「ハート・ジャーナリング」は、あなたがハートで感じていることを記録していくものですが、目的は、その「記録」ではなく、「ハートで感じていることを書き出す」ことに意味があります。ここでは、そのやり方をご説明していきましょう。

用意するものは、「ペン」と「ノート」と「15分」。

まず、ノートを開き、ペンを手にもって、大きな深呼吸をしてみましょう。鼻から大きく息を吸って、そして口からふうっと息を吐きます。吐く息と共に、頭の中が空っぽになっていくように意識して息を吐いて下さい。その他、カラダの中に緊張感があれば、それも吐く息と共に、吐き出していって下さい。

頭やカラダが少し軽くなったと感じたところで、普通の呼吸に戻します。呼吸に意識を向けながら、自分の心臓の音が聞こえるほどまでに、静かな状態まで自分を落ち着かせて下さい。そして次に自分の胸のあたり(ハートの部分)に意識を向けてみて下さい。ペンを持っていない片方の手を胸にあてて、呼吸と共に動く自分のカラダを感じるのもいいでしょう。

それでは、今、開いたノートと持ったペンに意識を向けて下さい。

そして、どんなことでもいいので、思いついたことを目の前のノートに書き出して下さい。

何も思い浮かばなかったら、それはそれで、しばらく待ちましょう。何か書かなければと思わなくて大丈夫です。その沈黙の時間を、心配せず過ごして下さい。

15分という時間を必ず守らなければいけないことはありませんが、適当だと思われたところで、終わりです。

流れとしては、ただ、これだけです。

ジャーナリングは、人の数だけやり方があるほど、基本的には書きたいように書いて頂ければ大丈夫です。

「ハート・ジャーナリング」をする目的は、「自分のハートとの対話」です。他の誰かのために書くのでなく、自分が自分に向かって話しかけるように、言葉を綴っていきます。支離滅裂でも良いので、自分に湧き上がってくる全ての感覚を言葉にして書き綴っていきます。自分の中で感じていること全てを紙の上に表面化することで、普段はあまり意識しない部分へと光をあてていくことになり、次第に、もっと深いレベルの自分の感覚、内なる声を聞けるようになっていきます。私たちのハートには、自分の本音、本当の願い、真実、そして叡智が宿っています。「ハート・ジャーナリング」は、この部分の情報に深くアクセスしていくために行うものです。

こちらにご紹介する以下のステップを経て、私は自分のハートとしっかりとつながってジャーナリングができるようになりました。ジャーナリングが初めてだという方は、ぜひこちらのステップに沿ってやってみることをオススメします。
<ステップ1>
自分に話しかけるように書く。
まずは、自分へ話しかけるように書いてみましょう。そして、ただ話しかけるというのでなく、自分を褒めて、励ますという方面から始めていきます。

まずは、1日を振り返り、自分について褒めるところを探していきましょう。ここでは、何か特別なことを褒めることもそうですが、当たり前だと思っていることも褒めて下さい。だから、誰にでも、何か1つはありますね。さあ、書いてみましょう。参考のために、以下例文です:

「今日もがんばって仕事に行ってきたね。えらいね。」
「こうやってジャーナリングを書いて、自分と向き合おうとしているんだね。すごいね。」
「今日は、いつもよりも丁寧にお掃除ができたね。えらいね。」
「今日はやろうと思っていたことをやれたじゃない。すごいなあ。」
「以前よりも、ここまで出来るようになったんだね、えらかったね。がんばったね。」
「きょうの夕日を美しいと思ったあなたの心が、きっと美しいんだね。素敵だなあ。」
「あの人を心から応援している自分がいたね。それってとても素敵。」
「またこんなことを思っちゃったと落ち込んでいたけど、それでもこのままじゃだめだ!と思ってがんばろうとしているあなたは、素敵だよ。その調子だよ。」
「あのとき、怒るのがまんしていたよね。えらかったね。」
「こんなにも感謝ができるようになって、えらいね。素敵だよ。」

何か自分が特別なことをしたときは褒めやすいと思いますが、普段からしている当たり前のことこそ、ここでは褒めるようにしてあげて下さい。そして、褒めるときは、必ず「えらかったね」「すごいね」「素敵だね」と、感嘆している表現を使って下さい。

褒める他に、落ち込んでいるときや元気がほしときは、自分への励ましの言葉を書くのも効果的です。以下例文です:

「あの時もものすごくがんばったあなただから、大丈夫だよ、絶対に出来るよ。」
「誰に何を言われても、とにかく自分を信じて。」
「大丈夫だよ。これもみんな愛だよ。必ずこの経験が愛に変わる日が来るよ。だから、大丈夫。」
「あきらめないで。私は、あなたを信じているよ。」
「あなたの素晴らしさは、これなんだよ。だから、自分を信じて進んで。」
「失敗が多くたって、あきらめていないじゃない。続けているじゃない。すごいと思うよ。本当によくがんばっているね。」

次に、感謝できることも書きましょう。これも、特別なことよりも、普段は当たり前だと思っていることを書き出すと効果的です(もちろん、特別なことを書き出しても構いませんよ)。以下、例文です:

「今日も働かせてもらったね。有り難かったね。」
「今日も学校へ行かせてもらったね。家族のみんなのおかげだ。ありがとう。」
「こうやっていつも家族が元気でいてくれているのは、本当にありがたいね。」
「今日もたくさんご飯を食べれたね。ありがたいね。その食べ物をつくってくれた人、運んでくれた人、料理してくれた人、ありがとう。私は、みんなに支えられて生きている。ありがとう。」
「今日も眠れるお布団が与えられているんだよね。本当にありがたいなあ。」
「家族が協力してくれるから、私はこんなことが出来るんだ。いつも本当にありがとう。」
「私のカラダ、本当によく動いてくれたね、ありがとう。」
「いつもと変わらず自分や全てを照らしてくれる太陽。いつもありがとう。」
「こうして生きていること、それを支えてくれているこのカラダに感謝。」

自分を褒めたり、励ましてばかりいると、必ず「でも、こんなところは出来ていなかったよな。」「ここはもっとこうしなければいけなかったよな。」という気持ちが出てきます。そんな感覚が出て来たら、そのままの出て来た感覚も漏れなく書き出します。ただし、最初のうちは、「褒め・励まし・感謝」以外の感情や感覚は、別のノートを用意して、分けて書くことをお勧めします。別ノートでなければ、新しいページに書くことをお勧めします。以下例文です。

「褒めたところで、何になるのよ。どうせ、言葉だけだよな。どうせ、こうやってネガティブな感覚が上がってくるんだよな。」
「やっぱり、あんな失敗、二度としたくない。褒めるところなんて、何にもない。」
「まただ。いつも私は、ここで失敗してしまう、いやだ。」
「同じことの繰り返しで、自分が情けない。まただ。また同じ失敗だ。」
「自分を褒めるところなんて、今日は何もない。ただ、辛い。苦しい。」
「あの人は、どうしていつもああなの?私がこんなにもがんばっているのに。もっと私のことを見ててほしい。わかってほしい。」
「あの人は幸せそう。でも、私は幸せじゃない。こうしてまた比べている。ああ、もういやだ。」

以上のような感覚や反応があって書き出した後は、「これが私の本音なんだね。私はそう思っているだね。」という言葉を自分に言ってあげて下さい。もちろん、この言葉を最後に書き加えてもらうとより良いです。

今まで、こうして自分に意識を向けて、丁寧に言葉を綴ってあげることをしてこなかった人にとっては、ほんの数行書くことを毎日続けるだけで、大きな心の変化を体験します。始めた頃は、「習慣付け」をするのが大切ですから、いつでも書けるときにでなく、毎日必ず時間を確保して、どんなに疲れていても、書いてからしか寝ない!というつもりで、最低でも1ヶ月は続けて下さい。褒めることや励ましの言葉が出てこない日でも、何かしらの言葉は書き出して下さい。「何も書くことがない。褒めることがない。」と書いて頂いてもいいです。でも最後には、「書くことがなくても、こうして書こうとしている私は、えらいね。」と書いて下さい。こうやって書く日が数日続いても大丈夫です。とにかく、書くこと、自分に向き合うことは続けて下さい。

1ヶ月ほど、このように自分に話しかけるように書くことを続けたら、次のステップへ進みます。
<ステップ2>
感じたこと、浮かんだこと、そのままを全て書き出す。
この段階になったら、毎日自然と思い浮かんできたことを書き出すようにして下さい。自分を褒めたいと思ったら、褒め言葉を、励ましたかったら励ます言葉を、イライラしていたら、そのイライラをそのまま書き出して下さい。全て同じノート、同じページに綴ってもらって大丈夫です。

自分に話しかけるように書いてもいいですし、感じたことをそのまま書くのでも、どんなカタチでも構いません。

何かに対するアイデアやひらめきのようなもの、書き留めておきたい誰かの言葉など、「メモする」ように、思い浮かんだときに、それらを書き残しておくのも良いでしょう。

こうなるといいな、という願いが沸き上がってきたときも、そのままの願いを書き出して下さい。ビジュアル化したいのであれば、それに関連する写真などを貼るのも良いでしょう。

自分のことをより知るための「リスト」を作る事もお勧めします。例えば、「今の生活の中で、私が好きなことは何?嫌いなことは何?」、「余命1ヶ月と言われたら、私は残りの人生をどうやって過ごしたい?」、「私が尊敬する人はどんな人?」、「私が嫌だと思う人はどんな人?」、「私にとって大切なことって何?」という具合に、自分が自分のことで知りたいことを書き出していくことも効果的です。

その他にも、「私にとって、愛するって何?」、「自分を信じるってどういうこと?」、「私にとって、生きるってどんなこと?」、「私の使命は何?」、「私はどうしてこの時代に生まれてきたの?」という問いを投げて、それに答えていくのも良いでしょう。

ここでは、自分の感じたことのどんなことも「書き留める」という行為が目的となります。書く内容はどんなものでもいいのです。ただ、常に自分の心の中で何が起っているのか、そこに意識を向けるだけでなく、書き出すという行為が大切です。これを続けて、自分の内側の意識で起っていることについて「メモ魔」のようになるまで習慣化してもらえたら大成功です。

日々の中で、自分の中から沸き上がってきた感覚を受け止め、時を問わず書き出すということが自然とできるまで、最初はステップ1と同じように、毎日のどこかで決まった時間を設定し行っていくことが大切です。

以上。