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集客の数よりも大切なこと

「満員御礼」

人を集めて講座や研修、他あらゆるイベントごとを開催する人にとって、憧れでもあり、時には苦しみの種となる、とても感情が右往左往に刺激される言葉です。

私自身も、この言葉を使える状況では心で大はしゃぎし、全くもって使えない状況では、寂しさを感じ、落ち込むこともよくあります。

本当は、満員御礼とならなくても、集まってくれる人がいれば、それで上出来だとわかっています。それでも集まってくれる人数が自分の期待よりも少ないと、自然とがっかりする気持ちは湧き上がってきます。

コーチという職業は、クライアントの数が増えたり、減ったりするのは日常ですが、そんな時も感情は大いに動きます。

増えるときは嬉しいけれど、減っていくときは、とても不安になる。

でも、これってコーチだからということでなく、どんなご商売をしている方でも、自分のサービスを受けて下さる人の数が減っていくのは不安な気持ちを誘います。

夫婦共々、もう20年近く個人事業主としての人生を歩んできて思うのは、目の前の数字よりも、目の前の「一人」を大切にする仕事をしていれば、長い目でみてずっと数字的なもの(それはクライアントさんの数だったり、収入だったり)は高まっていくことを学びました。

2人で独立して生計を立てていくのに、最初は試行錯誤する中で、目の前の数字ばかりに気を取られていたこともありました。私たちのサービスを受け取りたいと思っている人がいて下さるのに、そのお一人お一人を大切にするどころか、効率的に数字(売上)を上げていくために、大量に効率よく…みたいなやり方がいいのではないかと動いていた時期もありました。

でも数字ばかりを追いかけて入ってきた収入は、何故か自分たちの心を満たすために使われることなく、何かの問題ごとや、ただの消費として消えていくことが多いことにある時気づきました。

振り返って思うのは、目の前の数字では計り知れない流れの中で私たちは生きているのだということです。

未来は「今」の延長だと言いますが、この「今」を質の高いものにしていくと、後々の未来の状態も質の高いものになっていくと、本当にそう実感しています。

だから、「今」の質を高めていくことが大切なのです。

今やりたいことは見つけたけれど、人があまり集まってこない、それで生計を立てていくなんて想像できないほどまだご縁がない、と思っている人は、まず自分のサービスを受けたい思っている人が一人でもいたら、その一人にまず誠心誠意を込めて、今の自分のベストを丁寧に提供していくことをやって下さい。

その一人にもご縁がない人は、誰かとご縁ができるまで、自分のことを発信続けてください。途中で心が折れることがあっても続けて欲しいのです、それが本当にあなたのしたいことなのだったら。

もし、誰ともご縁をいただけないなら、それはあなたに能力がないからでなく、あなた自身がまだ周りとご縁をつなぐことに許可出しをしていないだけなんですよ。

本当に自分がしたいことなら、その自分を信頼して、まずは一人の人、1つのご縁に向かって歩み続けて下さい。

【アイから生きるレシピ】

私の人生における師匠のお一人が、豊かな人生を創り出すレクチャーの中でこんなことを伝えてくれたことがありました:

”ゼロのままだと、何も大きくできないの。
ほら、ゼロにどんな数字を掛けても、ゼロでしょ?
だから、ゼロから1を生み出すことが大切なの。
1を生み出せたら、そこにどんな数字を掛けても、1よりは大きな数になるでしょ?
それと1を生み出せたら、あとはその後に続くゼロを増やしていけばいいだけ。
ゼロのままだと桁も増やせないの。
だからまず「1」を創り出しなさい。
それが豊かさへの出発点となるのよ。”

これを聞いた時、そうか、まずは「1」を創り出せばいいのかと、私は納得したのです。

その「1」とは、私にとっては、何か1つサービスを創り出すこと、でした。

そして、その「1」を誰か一人に提供できたら、それを2人… 3人…10人…20人…100人…に提供できている自分を想像して、そのためにはどんな自分でないといけないのか(在り方)、どんなことを出来ている自分でないといけないのか(スキル)を明確にして、そこへの努力を続けました。

それと、これは違う方から教えてもらったことですが、自分が提供しているサービスの値段の最低でも1.5倍の価値は受け取ったと相手に思ってもらえるようにサービスを提供していくと発展していくということ。20年の歳月をかけて振り返っても、これは本当だなと実感しています。

自分のやりたいことをもっと広げていきたいと思っている人は、ぜひこれらのことが何かのヒントになってもらえたら嬉しいです。