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自分の中の羅針盤

10月の半ばまで、夏の暑さを感じるほどの毎日だったのに、急に気温が下がり、この突然の秋の訪れに急いで衣替えをしたところです。雨が多く涼しかった夏から続く、この今までとは違う自然のリズムのおかげで、自分の意識も自然と、今までとは違う次元へと押し上げられ続けているのを感じています。

2020年春頃から始まったパンデミックの中の生活も、私たちの意識に大きな影響を与え、最近やっと動きが戻ってきていますが、経済も、何もかも、もう元に戻ることはない世界に入ったように感じます。

目に見える世界(物質世界)が重要視されていた時代から、目に見えない世界(精神世界)も大事とされる時代に入って、目に見せて、見えない世界をごまかしてきたことや、目に見えないことを利用して、そこをごまかしてきたこと、その両方のどちらも「ごまかせない」時代に入ったと感じます。

このような時にやはり大切なのは、自分に正直でいること。他者に対しても正直でいること。

「足るを知る」という言葉もありますが、本来の自分以上にも、それ以下にも目を向けずに、「今の私」を淡々と一生懸命に生きることが、今の時代に流れる最高の波に乗っていける生き方であるように感じます。

自分の人生の羅針盤は、誰かお偉い人が持っているわけでもなく、神さまが持っているわけでもなく、私たちが個々に心の奥底に持っていて、それが自分にとって一番正確に自分が進むべき方向を示してくれるものとなっていると、多くの人が気づいていく時代に入っているのを感じます。

ステイホームで、自分を感じる時間をたくさん持てた人も多いと思いますが、今一度、カオスな流れの中に入っても、絶対に自分の芯、自分の心の中の羅針盤を忘れないように、自分の中心を握り直していきましょう。

【アイから生きるレシピ】

コーアクティブコーチングを学んだ時に、そのワークショップで教えてもらった「スペースチェック」というものを、もう20年以上もの間、日常にも活用し、私が教えるクラスでも紹介し続けています。

この「スペースチェック」とは、今という瞬間に何を感じているのかチェックするというものです。

私は以下の手順で行っています。

1)まずは、呼吸に意識を向けます。吸っているな、吐いているなという呼吸をしている身体の動きを感じながら、しばらくその動きを観察し、感じます。

2)自分の呼吸を身体を通して感じることで、全体的に落ち着いた感覚になったところで、今度は心に意識を向けます。そこから、「今この瞬間」に何を感じているのか、心が感じているままを見つめ続けます。

以上のことを、1分ほどするのが「スペースチェック」です。

これは今流行りのマインドフルネスのやり方に近いかもしれませんね。

これを1日に1回でもすると、心が普段よりも落ち着いた状態になるのを実感されると思います。

そしてこのようなスペースチェックをして自分が感じていることを、手帳やノートに書き出すこともお勧めです。

こうして自分が感じていることを丁寧に扱っていくと、自分の中の羅針盤がどこにあるのか、そしてその羅針盤がどちらの方向を示してくれているのかが明確になっていくと思います。

*冒頭の写真に写っている羅針盤は、主人と出会った頃、ライフコーチになるトレーニングのために毎週のようにワークショップの受講や運営のお手伝いをしていた私に、「いろんなことを吸収しているようだけど、自分の軸を見失わないでね」と彼が渡してくれたものです。20年来の私のお守りです。